どうも、ハチコ(@hachiko8531)です。
今月は読書月間ということで(勝手にw自分だけw)、読んだ本をどんどん記事にしていこうと思っています。
川上未映子さんの『黄色い家』を読んだので、一気に感想書いていきます!
このサイン本がほしかったのだけど、すぐにサイン本は売り切れてしまったようです。
残念。
あ、私は髪の毛を切ったので、今、この写真の川上未映子さんとほぼ同じ髪型をしています!
だから、髪型だけだからねっ!川上未映子さんは美しい。才色兼備。
今、発売している『ダ・ヴィンチ』でも川上未映子さんが特集されています。
川上未映子さんってどんな人か?ってことは私が説明するよりWikipedia見たほうが詳しいし、早いです。(逆に親切だ!)
本の帯はこれです。
「人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか」この一文からも狂気の沙汰の展開が想像できます。
物語の最初は、主人公の花が偶然目にした新聞記事。記事によると、主人公の花が、かつて共同生活をしていた女性(黄美子さん)が若い女性を監禁・傷害の罪に問われているというものでした。
(『黄色い家』は読売新聞朝刊で連載されていたもので、新聞記事が登場したのもそのためかもしれない。)
いきなり顛末の「末」から始まるような話で、主人公の花の一人称の語り口です。
なぜ黄美子さんが罪に問われているのか、そもそも主人公の花と黄美子さんとの関係は、読者には一切分からない状態です。主人公の花は今、40歳の女性なのですが、15歳の夏に出会った黄美子さんとの日々、桃子と蘭という二人の少女と過ごした日々を順を追って回想していきます。
とても読みやすく魅力的な文章なので、小説の中に入り込んでしまう。
ページをめくる手が止まらない。
「覚えてる?桃子。やばい妹いたじゃん。死ぬほど美人で、死ぬほど歯が汚かった子。」P26
「死ぬほど美人で、死ぬほど歯が汚かった子」このセリフおもしろいです。
このとき読者は、桃子も桃子の妹も、まったく見当がつかない状態です。やばい妹のことが気になって仕方ない。
なんでもない毎日が、なんでもない季節の上を流れてゆき、わたしはなんの準備もしないでも入れる公立高校に入学した。(P57)
この文章もリズミカルで好き。
ちなみに、主人公の花は当時「文化住宅」に住んでいたという記述がありますが、文化住宅について私は知りませんでした。近畿地方における集合住宅の一呼称を「文化住宅」と呼ぶらしいです。(Wikipediaより。ウィキペディアさまさまや。)
著者の川上未映子さんが大阪の人だから「文化住宅」って書いているのかもしれない。
花は、登場人物の中の誰よりも純粋で、頭がよくて、孤独。彼女がしていることは、犯罪なのだけど、それが彼女の「正義」であって大切な人を守るための「手段」でしかない。でも、それは自分の心を満たしてくれる仲間を繋ぎとめるための、結局はただの自己陶酔なのかもしれない。
黄美子さんは流れに身を任せて生きているだけな気がしているのだけど、主人公の花ちゃんは一人でいろいろ頑張りすぎ。背負いすぎ。切ない。
花ちゃんは自分が一番「まとも」だと思っているんだろうけど、どんどん狂っていくさまがとてもおもしろい。こうやって人は犯罪に手を出し、後には引けない状態までいく。自分がおかしくなっているのも気がつかない。
以下は少女の花ちゃんに大人たち(全員違う人)が言ったセリフなんだけど、どれもこれも純粋な花ちゃんにはとても響いていそうで怖い。
「働いて貯めたんなら、また働けばいいじゃんかっ」P68
「お金なんかまたすぐ貯まるし、また稼げばいいじゃんか」P301
「世の中は、できるやつが全部やることになってんだから、考えたって仕方ないよ。無駄無駄。頭を使えるやつが苦労することになってるんだよ。でも、それでいいじゃんか」p373
大人って勝手なことばっかり言うよなぁ。
全部で601ページありますが、スピード感がある文章で、続きが気になるから一気に読めます。
川上未映子さんは、女の心の奥のねちっこくて、めんどくさい気持ちを表現するのうまいなーって思いました。
学生の賑やかなグループを見て、花の感情表現(p133)がとてもよいので、よかったら読んでみてほしいです。
あと、クリスチャンラッセンの絵画が思わぬ使われ方をするので、それも見ものです。
主人公の花ちゃんが、これからどう生きていくのか気になる終わり方でした。夢占いの結果に一喜一憂しないで、花ちゃんがじぶんの家で、すてきな夢が見られたらいいなと思った。
読後感は、ふわっとした気持ちになったけど、小説って、結末がどうとかじゃなくて、過程が大事っていうか。川上未映子ワールドの中に入って、なかなか抜け出せないまま、今日は寝ます。
ここまで読んでくれてありがとうございました。おやすみなさい。
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