2024年本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』ですが、
話題の『成瀬は天下を取りにいく』が「おもしろくない」「つまらない」という声もあるみたい。その理由が気になる。
という人もいると思います。
この記事では、『成瀬は天下を取りにいく』を実際に読んでみた私が、「おもしろくない」「つまらない」と言われている理由を考察&調べてみました。
この記事は基本ネタバレはしないので、『成瀬は天下を取りにいく』を読もうか読むまいか迷っている人は、参考にしてみてくださいね。
さて、私の正直な感想を言うと、期待しすぎた分「あれ?」と最初は思いましたが、ページが進むにつれて、成瀬の魅力的なキャラクターにどんどん惹かれていく!と感じました。
面白くない?成瀬は天下を取りにいくがつまらないと言われる理由を考察
『成瀬は天下を取りにいく』が面白くないと言われている理由を考察したところ、4つ見つかりました。
- 前評判が良すぎる
- 成瀬あかりのキャラに共感できない
- 滋賀県大津市に馴染みがある人しか分からないネタがある
- 物語の早い段階で離脱するとおもしろさが分からない
それでは詳しく紹介します。
前評判が良すぎる
『成瀬は天下を取りに行く』は2024年本屋大賞が有名ですが、他にも
- 坪田譲治文学賞
- キノベス!第21回 2024年 第一位
- 女による女のためのR-18文学賞
大賞、読者賞、友近賞(収録作『ありがとう西武大津店』での受賞。史上初のトリプル受賞) - ダ・ヴィンチ ブック・オブ・ザ・イヤー 2023年 第一位
- 『楽天Kobo電子書籍Award 2024』小説部門 大賞 etc
と、14冠受賞しています。
最近発売された小説界でも天下を取った成瀬ですね。
帯の紹介文の作家陣も、絶賛の嵐です。
これは期待しないで読まないほうおかしい…!
というわけで、期待値MAXで読み始めて「えっ…これが本屋大賞…!?」と肩透かしを食うんです。
成瀬あかりのキャラに共感できない
主人公の成瀬あかりは、まっすぐな性格の主人公ですが、ぶっとんでいて破天荒です。
普通の人なら絶対にしない発想力と行動力で目を引きますが、共感できるかと言われると疑問です。
私は、感情移入が全くできませんでした。
話し方がぶっきらぼうで、言葉足らずな面もあり、感情表現が豊かなタイプではありません。
…ですが、私は無謀なことにも果敢に挑戦する成瀬あかりに勇気をもらいましたね。
単なる地元愛強めの青春小説ではないな、と思いました。
「大きなことを100個言って1つでも叶えたら、あの人すごいになる」
成瀬は天下を取りにいく ありがとう西部大津店 より引用
成瀬あかりは「思い立ったが吉日」を具現化したような人物。
何かやりたいことがあって悩んでいる人の背中を押してくれるような小説でした。
滋賀県大津市に馴染みがある人しか分からないネタがある
『成瀬は天下を取りにいく』の舞台は滋賀県大津市です。
そのため、滋賀県にちなんだ名称が多く出てきます。
など、滋賀県になんのゆかりもない人だと、他県民はポカーンなんです( ゚д゚)
滋賀押しが強すぎる小説なんですよね。
まぁ、その分リアリティも増し増しなんですけどね……。
物語の早い段階で離脱するとおもしろさが分からない
「島崎、私はこの夏を西武に捧げようと思う」
— しんげん (@shingenz) June 1, 2024
この1文から始まる、成瀬は天下を取りに行く、を読んだ。
文章は読みやすいが、そこまで面白くないな、と思っていたけど、読み進めるにつれ、主人公成瀬あかりの魅力に取りつかれた。
レッツゴーミシガン、ときめき江州音頭は特によかった😁 pic.twitter.com/XZrGX6sOtU
私も最初は「読みやすいけど、言うほどおもしろくはないかも…」と思いました。
『成瀬は天下を取りにいく』は6編からなる短編集です。
- ありがとう西武大津店
- 膳所から来ました
- 階段は走らない
- 線がつながる
- レッツゴーミシガン
- ときめき江州音頭
③を除く①~⑤は成瀬あかりを取り巻く人たちから見た「成瀬あかり」で、⑥だけは唯一、成瀬あかりの心情が語られます。(③はスピンオフです)
①、②までは成瀬あかりの幼馴染の島崎みゆき視点で、話の枠組み(展開)が似ていて「あ~こんな感じが続くのかな」と思い、ここで離脱する人がいるかもしれません。
だがしかし、
ここで読むのをやめるのは非常にもったいない!
一見バラバラに見える短編が、最後に全部キレイにまとまります。
④からググッと成瀬あかりの魅力が溢れてきます。
⑤、⑥になると、完璧にみえた成瀬あかりにボロや人間らしさが出てきて、成瀬あかりの動向に目が離せない!
次は何をしでかすかわからない成瀬が、気になって仕方がないのです。
まとめ:「成瀬は天下を取りにいく」はなぜ人気?成瀬がすべて!
ここまで「成瀬は天下を取りにいくがつまらないと言われる理由を考察」をグダグダ考察してきましたが…
ズバリ、『成瀬は天下を取りに行く』がおもしろいか、そうでないかの最大の分かれ目は、成瀬あかりのファンになれるかどうかです。
成瀬あかりを好きになれるかどうか、がほとんどすべてと言っても過言ではない!
そして、成瀬を囲むキャラクターたちがみんな良い味だしてるのも付け加えておきます。
200ページ弱のサラっと読める短編集です。
物語はどんでん返しや人殺しもなく、ゆるやかに進みます。
「感動した」とか「すごく面白かった!」という読了感ではなく、不思議な感覚でフワフワしちゃいますよ。
- 著者:宮島未奈
- 発売:新潮社 2023/3/17
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):聴き放題対象
- 文庫本:未定(単行本発売から3年前後と予想)
「成瀬は天下を取りにいく」を無料で読みたい(聴きたい)かたはこちらをどうぞ(サンプルあり)
「成瀬は天下を取りにいく」はAudibleの聴き放題対象(Amazonの提供する本の朗読サービス)です。
鳴瀬まみさんの朗読は、成瀬の飄々とした断定口調をうまく再現されていました。聴きながらクスクス笑ってしまいました。
>>5分間の無料視聴はこちら
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▼成瀬シリーズは、2作品目も出版されています。
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