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綿矢りささんの『嫌いなら呼ぶなよ』読みました

嫌いなら呼ぶなよ綿矢りさ 読書
読書
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あはははははははめちゃくちゃいにすりう、」

あははははははめゆあくちゃおおしろい

あはははははははほめちゃくちゃおもしろい。

…ここまで目をつぶってブラインドタッチしてみた。(あはははは、めちゃくちゃおもしろい、とタイプしようとした。)

意外とできてるじゃん、すごい。
狂ったことしてるんじゃないって!?そんなん最初に載せるなって?

いいじゃん、昼間は社会や育児に揉まれて頑張ってるのだ、ここは私のブログだ、好きにさせてほしい。
私のこと嫌いなら読まなくていいよ…


…うそ、好きになってずっと読んでほしいな…♡♡えへ、えへへへへ♡
(急にぶりっこするし、なんか怖い)

綿矢りささんの『嫌いなら呼ぶなよ』読みました。

著者を簡単に説明します。私とほぼ同世代!

綿矢りさ(わたやりさ)1984年京都生まれ。2001年『インストール』で文藝賞受賞しデビュー。早稲田大学在学中2004年に『蹴りたい背中』で史上最年少19歳で芥川賞受賞。引用元:嫌いなら呼ぶなよ

冒頭で言った通り、『嫌いなら呼ぶなよ』はね、あはははは、おもしろかった!

爆笑!って感じのおもしろさじゃない。
スカッと痛快!いいぞいいぞもっとやれよ、って感じのおもしろさ。

綿矢りささんの文章は軽快な狂気。
こじらせ女子にはたまらない。

SNSの文章に慣れてる人なら、すごく読みやすい文章だと思う。
最初は今風な文章で、本としては慣れない人もいるかもしれない。
でもすぐに綿矢りさワールドに引き込まれ、癖になる。

とにかくワードセンスと言葉選びが抜群。

例えるならば、ツイッターのタイムラインをなんとなく指でスクロールしていたら、
キラリと光るツイート発見して、思わず指を止めてしまうみたいな文章の連続。

綿矢りささんしか書けない文章。

はい、好きです!

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『嫌いなら呼ぶなよ』の表紙

嫌いなら呼ぶなよ綿矢りさ

草間彌生ばりの水玉。
ピンクバックに水色ドット。
ちなみに表紙カバー外すと青色バックでピンクドットに反転する。

人間は表の顔と裏の顔があるんだよ、って暗示しているようだ。

POPな表紙にも関わらず「嫌いなら呼ぶなよ」のタイトルがまた狂気。

嫌いなら呼ぶなよ ドット

水色ドットの直径は5mm
「綿矢りさ」は4cm
表紙の水色ドットの数は130(数えた)

『嫌いなら呼ぶなよ』の感想(ネタバレなし)

本の帯はこれなんですよ。

嫌いなら呼ぶなよ 綿矢りさ 本の帯

「整形、不倫、SNS、労害…心に潜む”明るすぎる闇”に迫る」
もうこの文章だけでおもしろい。
(整形、不倫、SNS、労害にまつわる4話の短編集)

帯の”明るすぎる闇”ってなんだよって感じなんですけど、
もうね、読んだらそれなんです。

整形、不倫、SNS、労害って字面だけ見ると、暗い。でも、読んだら分かる。ぜーんぜん暗くなくて笑ってしまうくらい。
あっははは。

眼帯のミニーマウス

【あらすじ】整形を会社で思わずカミングアウトしちゃった女の子の話。

すごく堂々としていて、勇ましい。

ぴえんを多用していると変な脳内物質が沸いてきて「わたちは何も知らないの🥺だから何をしても許されるの🥺」みたいな気持ちになって脳内無敵モードに突入できる。(P29)

ここ、すごい好き!!!何この表現。
これツイートしたらバズりそうだと思った(しないけど)

ぴえんの絵文字🥺が文章と文章の間に随所に登場する。そういう遊び心も好き。

文章の中に遊びは他にもあるんだ。

「ときすでにお寿司(P16)」って「時すでに遅し」の誤植かと思ったけど、これ違うし。

包帯まみれで会社に行ったのに会社の人は誰も触れないことを「これがホントの腫れ物扱い(P58)と表現するのもおもしろい。ボケの放し飼いである。

4話ある短編集の中でどんでん返しなら「眼帯のミニーマウス」だな。

神田夕

【あらすじ】youtuberの神田にハマり、どんどん過激なアンチコメントをしていく女の子の話。

彼らが視聴者を欲していて、自己顕示欲を満たしたくて、でも見知らぬ大勢の人間を相手にしていることへの独特の警戒と不安が、強い照明で白飛びした画面に映る彼らの表情から伝わってくるのを見るのが好きだ。(P78)

この文章、ゾクゾクしません?
たまらんくないですか。
この続きの文章も機関銃みたいでいいんだけど、割愛。

youtuberって芸能人ほど遠くない。リアルタイム視聴なんて特に視聴者との距離が近く感じる。youtuberの顔は知っている、でもこちらは顔を知られていない、それゆえコメントも過激化していくファンもいるのかもしれない。

4話ある中でサイコパス感が一番強め。全然主人公に共感できないけど、こういう人もいるんだろうなってリアル。オチもリアルだ。

嫌いなら呼ぶなよ

【あらすじ】妻の友人に誘われてしぶしぶホームパーティへ行く男の話。
男は不倫していて、妻の友人や夫に「ミニ裁判」にかけられる。

表題作でもある「嫌いなら呼ぶなよ」
私は4話ある短編集の中でこれが一番好き。

サレ妻側の話じゃなくて、シタ夫なんだよね。

前半は男がつまらないホームパーティに行き、緩やかに物語が進むのかと思っていた。でも、後半に夫の不倫を晒上げられて、そこからラストまで止まらないおもしろさ。

カウンセリング中の精神分析医くらい落ち着け。あんま喋るな、墓穴掘るな。(P141)

例えば、会社で上司に長ったるく説教されているとき「あーこの説教いつまで続くの、早く終わんねーかなー、今日のご飯何にしよ。」とかって思いません?ま、口では「申し訳ございません、反省してます」って言うわな!

表の声と裏の声って、人って全然違うところあるじゃん。それって見た目じゃわかんないじゃん。ま、まわりから見たらバレてるときあるんだけどさ、自分では必死で隠すじゃん。まさにそのイメージの話。

不倫は心の過失致死障害なのです、って?上手いこと言うなぁ。みんな納得して、楓までうなずいてるし、こちらも対抗して何か言うべきか(P139)

いや、冷静すぎるだろ、シタ夫。マジで全然反省してないな、クズ!!!

老は害で若も輩

【あらすじ】37歳女性作家(綿矢)へのインタビューを42歳のフリーライター(シャトル蘭)が記事にして書き起こしたが、作家の綿矢がその記事を気に入らない。27歳の男性編集者(内田)も巻き込み、メールで三つ巴の激しいバトルを繰り広げる。

 

この話も好き!

この話好きな人は性格悪いかもしれない(性格悪いのは私だけかw)
読んでるだけでデトックスできちゃうような話。ストレス発散!

フィクションの話なんだろうけど、作中の「綿矢」って、著者本人なのかな?って思っちゃうよね。

「んへぇ~なるほど、私の考えた記事のタイトルが気に入らないとのこと。一応現時点では芥川賞最年少作家といえばこの私ですけど。?!」(P191)

自分でこれ言っちゃうのよ。いいぞもっと言ってやれよ。

出てくる単語がいちいちおもしろい。「繊細ヤクザ(P179)」「肝心なときにには匿名性のイソギンチャクの中にサッと引っ込んで姿を消してしまうクマノミ(P196)」

ラストがすげーざまあみろって感じで気分いいぜ。

(あ、この話読み終わるころにはすげー口悪くなるから注意です。)

まとめ

眠いので、まとめます!
『嫌いなら呼ぶなよ』の中表紙の裏にパリス・ヒルトンの名言が書いてあった。

「知らない人から嫌われるのは、あなたが素晴らしい証拠。」

知らない人から嫌われるのは、あなたが素晴らしい証拠

読み終わった後に、この言葉を噛みしめてニヤニヤしちゃうな。

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